アメリカのトランプ前大統領が日本時間15日午後10時過ぎ、裁判所に到着しました。アメリカ大統領経験者を被告とする初めての刑事事件の公判が開かれます。大統領選への影響は…。

■米史上初 前大統領の刑事責任追及

トランプ氏は13日、大統領選の激戦州ペンシルベニア州でこう話していました。

トランプ氏
「2日後には“バイデン氏による不当な裁判”を全世界が目の当たりにするだろう」

不倫関係にあった、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏に口止め料として13万ドル=約1500万円(2016年当時)を支払い、それを「弁護士費用」として処理した問題。トランプ氏は、業務記録を改ざんした罪でニューヨーク州の裁判所に起訴されています。

■4つの刑事裁判 時間稼ぎ?繰り返す

そもそも、トランプ氏が刑事裁判にかけられている案件は、今回のものを含め全部で4つ。その全てで“時間稼ぎ”ともとれる、裁判の延期要求を繰り返してきました。

トランプ氏(2021年1月)
「議事堂まで行進しよう」

この言葉をきっかけにした、共和党支持者による議会占拠事件。国家を欺いた罪などで起訴されましたが、大統領の任期中には免責特権が適用されると主張し、司法判断に。

同じく前回の大統領選に関連して、ジョージア州の集計作業に介入した疑い。そして、大統領の任期中に機密文書を持ち出した疑い。

トランプ陣営にとって、今回の不倫口止め料をめぐる裁判だけが、大統領選が終わるまで延期もできず、判決が出る可能性を残してしまった形です。

■大統領選に影響?「でっち上げ」主張

ただ、裁判前の世論調査で、支持率はいまだバイデン氏をわずかに上回っています。

トランプ氏の支持者
「トランプ氏は迫害され、磔(はりつけ)にされ、殉教者になろうとしています」

支持者はこう言う一方、刑事裁判で有罪となる可能性があることで生じるマイナスイメージは少なからず存在します。

今回の裁判についても、世論調査では6割以上が「深刻」と捉えている状況です。

出廷したトランプ大統領は、自身のSNSで不満をあらわにしました。

トランプ氏のSNSから(15日)
「私は裁判所から動けず、選挙活動に使えたお金も出さねばならない。本来なら、米国史上最低の大統領、悪徳バイデン打倒のため遊説に出ているはずなのに。選挙妨害だ」

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