Dmytro Smolienko/Ukrinform/Sipa USA via Reuters Connect

<ウクライナ軍は、戦場の歩兵や装甲車両、戦車だけでなく、ロシア国内の石油精製所などを標的にした攻撃にもドローンを使用>

戦闘を続けるウクライナとロシアがドローン開発でしのぎを削るなか、ロシア軍の兵士にウクライナ軍のドローンが襲い掛かり、シャベルで必死に叩き落そうとする様子を捉えたとされる動画が公開された。ウクライナの戦場では数多くのドローンが使用されており、ロシア軍が「特攻」に手を焼く様子を捉えた動画はたびたび投稿されている。

■【動画】「自爆型ドローン」がロシア兵士に「突撃」する瞬間映像...シャベルで必死に応戦も、最後には爆発の餌食に

インターネット上で大きな注目を集め、ウクライナ人ジャーナリストのユーリイ・ブツソフをはじめとする親ウクライナのアカウントで共有されている短い動画には、ウクライナ国内(詳細な場所は不明)の塹壕にいるロシア軍の兵士にドローンが猛スピードで向かっていく様子が映っている。

別の角度から撮影されたドローン映像には、その兵士がシャベルを使ってドローンを追い払おうとするものの、反撃をかわしたドローンが爆発して兵士も巻き込まれる様子が映っている。動画の続きには兵士が動かずに横たわる様子が映っているが、この兵士が先ほどの兵士と同一人物なのか、彼がドローンの爆発によって死亡したのかどうかは不明だ。

本誌はこの動画の信ぴょう性について独自に確認を取ることはできず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたがこれまでに返答はない。

ドローンはロシアのさまざまな標的攻撃に使われている

ロシアがウクライナへの本格侵攻を開始した2022年2月24日以降、ウクライナは何カ月もの時間をかけて「ドローン軍」をかき集め、新しいドローンの開発やさらなる開発のための資金調達も続けてきた。偵察任務の支援や自爆型ドローンによる攻撃、砲撃の誘導など、ドローンは戦闘のほぼ全ての側面で使用されている。

動画はウクライナ軍第54独立機械化旅団のドローンパイロットが撮影したものとされている。同旅団はウクライナ東部ハルキウ州の州都ハルキウ東方のクピャンスク周辺にある前線近くで作戦を展開している。

戦闘開始以降ソーシャルメディアには、ロシア軍の兵士たちが即席の兵器を使ってウクライナ軍のドローンから身を守る様子を捉えたとみられる様子を捉えた数々の動画が投稿されてきた。4月後半にインターネット上に出回った動画は、ロシア軍の兵士が、ウクライナ軍第82独立空中強襲旅団が運用するドローンをシャベルで撃退しようとする様子を捉えたもののようだ。

ウクライナ軍はロシア軍の歩兵や装甲車両、戦車だけでなく、戦場から遠く離れたロシア領内の石油精製所などを狙った攻撃にもドローンを使用してきた。

アメリカがウクライナに攻撃中止を要請との報道も

国際非政府組織(NGO)のグローバル・ウィットネスは本誌と独占的に共有した新たな分析の中で、ウクライナが標的にした石油精製所の一部は、ロシア軍の戦闘能力の維持を支えてきたと示唆。そのためこれらの石油精製所はウクライナ側にとって正当な軍事標的であると主張した。

ウクライナのオルハ・ステファニシナは以前、ウクライナはこれらの石油精製所について、正当な軍事標的だと考えていると述べていた。

英フィナンシャル・タイムズ紙は3月、ロシアの報復を招き、また石油価格を押し上げる恐れがあるという理由から、アメリカがウクライナに対してロシアの石油精製所への攻撃をやめるよう促したと報じていた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。