今週発足した台湾の頼清徳政権が早くも揺さぶりをかけられています。中国軍が24日まで2日間、大規模な軍事演習を行ったほか、議会では与野党の対立が激しくなっています。

■台湾新政権 早くも内外から揺さぶり

 2日目の中国人民解放軍の軍事演習の動画です。

中国人民解放軍
「我々はロケット砲兵として台湾独立の分離勢力を断固として殲滅(せんめつ)する」

 また、陸海空から発射されたミサイルが台湾に着弾するというCG動画も公開されました。

 台湾への攻撃を可視化することで圧力を強めているのでしょうか。

 20日の就任式で台湾には独自の主権があるとした台湾の頼清徳新政権。中国側は、頼新総統を台湾独立派として警戒し、脅しとも取れる圧力を強めています。

 頼新総統は中国との関係について現状維持を強調しています。

台湾 頼清徳総統
「傲慢でもなく卑屈でもない現状を維持します。台湾への言葉での攻撃、武力での圧力をやめるよう私は中国に呼び掛けます」

 中国側の答えが、この軍事演習だったというのです。

 中国側は、頼新総統が台湾には主権があるとしたことを強く批判しています。

中国外務省
「台湾独立は破滅への道だ。どんな名目や旗を掲げても“台湾独立”は最終的に失敗に終わる」

 専門家は今回の軍事演習についてこう指摘します。

笹川平和財団 上席フェロー 小原凡司氏
「(頼総統が)台湾は独立しているかのような表現を使った。それに対する懲罰ということなので、目的は台湾に対する圧力ということ」

 一方、頼総統。就任早々その足元が揺らいでいます。

 24日の台湾議会でのワンシーンです。議場でもみ合っているのは与党と野党の女性議員。と、その瞬間…。与党議員の右フックが野党議員の顔面に入りました。

 今、台湾議会がもめにもめているのです。実は、台湾議会では頼総統率いる与党・民進党が少数派で野党が最大会派というねじれ状態なのです。

 そんななか、野党側から出された議会の力を強める法案に与党側が反対していて、大乱闘も起こっています。

 24日、与党議員に殴られた野党議員。与党・民進党の党首でもある頼総統に対して謝罪を要求しています。

 ただ、映像をよく見てみると野党議員が先に手を出していたようにも見えます。

 頼新総統、中国からの圧力が強まるなか、台湾議会の混乱など就任早々、難しいかじ取りが求められています。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2024

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