アメリカのトランプ前大統領は秋の大統領選の争点となる人工妊娠中絶の規制について、各州の判断に委ねるべきとの考えを示しました。
アメリカ トランプ前大統領
「(中絶の規制は)各州が投票か立法によって決めることになる。この場合は州法だ。多くの州で異なることになるだろう」
トランプ氏は8日、自らのSNSに投稿した動画で、人工妊娠中絶の規制は全米で一律に決めるのではなく、妊娠何週目まで認めるかは州ごとの判断に委ねるべきとの考えを示しました。
また、暴力によって妊娠した人の中絶や不妊治療のために受精卵を凍結保存することも容認しました。
これまでトランプ氏は、妊娠から15週以降の中絶の禁止を支持していましたが、無党派層や女性の支持を失うことを避けるため、より穏健な姿勢を打ち出した格好です。
トランプ氏は動画で「選挙に勝たなければならないことを忘れないで欲しい」と述べ、中絶に強く反対する保守層に理解を求めました。
一方、女性の権利の擁護を掲げるバイデン陣営は声明で、トランプ氏が大統領選で勝利を収めたら中絶禁止の立法が進むなどと指摘し、「幻想は禁物だ」と警告しています。
アメリカでは、トランプ政権で保守派の判事が増えた連邦最高裁によって2022年に中絶を憲法上の権利と認めた判決が覆されて以降、共和党の強い南部などの州で中絶の規制を強化する動きが広がり、大統領選の主要な争点になっています。
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