インドネシアで保護された野生のサル Rosyid A Azhar-Shutterstock

<気の毒な動物たちは、一部の保護種を除いてすべて安楽死させられる>

台湾北部の税関当局は5月21日、野生動物を密輸しようとした疑いで64歳の女の身柄を拘束したと発表した。女は生きた動物87匹をテープで身体に貼りつけて台湾への持ち込みを試みたという。

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台湾紙「自由時報」によれば、密輸の常習犯であるこの女は19日にタイの首都バンコク発の航空便に乗り、台湾の首都・台北にある桃園国際空港に到着。友人一人と共に入境を試みた。手荷物にも少なくとも4種の霊長類を入れていたが、自由時報によれば、これらの動物は1匹を除いて全て、野生動物の輸入を取り締まる台湾の法律に従って安楽死の処置が取られる。

女は過去に生きた動物を連れて入境を試みたとして、台北税関のブラックリストに名前が載っていた。そのため税関職員がボディチェックを行ったところ、絶滅危惧種を含む数多くの動物がテープで身体に貼りつけられていたという。

87匹の中には少なくとも1匹のスンダスローロリス(別名グレータースローロリス)が含まれていた。スンダスローロリスは、スイスに本部を置く国際自然保護連合(IUCN)が作成する「絶滅の恐れのある生物リスト(レッドリスト)」でも絶滅危惧種に分類されている。

ほとんどが安楽死の運命

女が持ち込もうとした疑いがある動物には他に、コモンマーモセット、ショウガラゴ、オオスズメフクロウ、グリーンイグアナ、ナイルオオトカゲ、インドホシガメ、インドシナニシクイガメ、エロンガータリクガメなどが含まれる。

自由時報は、疾病予防および管理法に従って、台湾当局がスンダスローロリスを除く全ての動物について安楽死の処置を取る可能性が高いと報じた。

台湾の税関当局は台湾の通信社「中央通訊社」に対して、今回の件について調査を行っていると述べた。女の名前や国籍は公表しておらず、また女がテープで身体に貼りつけていた動物の正確な数についてはノーコメントとした。今回持ち込まれた動物の推定市場価格は分かっていない。

台湾では地元および域外のバイヤーたちが、隣接する中国や東南アジアの外来種にかなりの金額が支払われており、当局は長年、密輸の取り締まりに苦慮してきた。

2023年12月には、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港で、カワウソ2匹とプレーリードッグ1匹を台湾に持ち帰ろうとした台湾出身の男が逮捕された。

2021年8月には、台湾の海巡局が中国から台湾の港に154匹の猫を密輸しようとしていた漁船を発見した。これらの猫はロシアンブルーやラグドール、ペルシャ、アメリカンショートヘア、ブリティッシュショートヘア、マンチカンやメインクーンなど、いずれも高価な種だったということだ。

台湾南部の港湾都市・高雄市の検察官はその2カ月後に公表した起訴状の中で、問題の漁船は貨物を偽装するために最初に魚を積み込んだ上で猫を船室に隠して戻ってきたと述べた。


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