イランがイスラエルを攻撃したことを受けて開かれたG7首脳オンライン会議に参加する岸田文雄首相=2024年4月14日(内閣広報室提供)

 岸田文雄首相は14日夜、主要7カ国(G7)首脳オンライン会議に出席し、イランによるイスラエル攻撃で緊迫化している中東情勢について「国際社会全体として、当事者に事態の沈静化と自制を強く働きかけていくべきで、G7としてそうした議論を主導していくことが重要だ」と述べた。

 首相は会議で、イランによる攻撃を「中東情勢をさらに悪化させるものであり、深く懸念し、このようなエスカレーションを強く非難する」と指摘。各国の自国民保護や退避についてG7で連携し対応していきたいと呼びかけた。

 首相は米国での外交日程を終え、帰国途上の政府専用機内で中東情勢の報告を受けた。14日午後に羽田空港に到着。官邸に入り、外務省幹部らから改めて報告を受けた。その後、記者団に対し、現時点で邦人の被害は確認されていないと明らかにした。

 上川陽子外相は14日に発表した談話で「中東地域の平和と安定は、我が国にとっても極めて重要だ。事態の更なる悪化を防ぐべく、あらゆる外交努力を行っていく決意を改めて表明する」と強調した。外務省は同日、イランへの渡航中止を求める注意喚起を出した。イランからの出国希望者に対しては「定期商用便が運航されている間の出国を検討してほしい」と呼びかけている。【村尾哲、安部志帆子、森口沙織】

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