英ロンドン中心部にある「ギャリック・クラブ」=2024年5月18日、篠田航一撮影

 英ロンドンの会員制「紳士クラブ」の一つで、1831年設立の名門「ギャリック・クラブ」が初めて女性の入会を認める動議を可決した。英メディアが伝えた。会員が男性に限定されていることをめぐり、英国で議論が起きていた。

 紳士クラブは上流階級のエリート男性が会費を払って入会し、会話や食事を楽しむ社交場。ギャリック・クラブは19世紀の文豪ディケンズも会員だったことで知られ、現在はチャールズ国王、俳優ベネディクト・カンバーバッチさんのほか、政治家、裁判官、弁護士、ジャーナリストら約1500人が入会しているという。年会費は約1000ポンド(約19万8000円)と報じられている。

 同クラブは過去に何度も女性の入会を拒否してきた。英紙ガーディアンによると、ブレア元首相の妻で弁護士のシェリー・ブレアさんは司法修習生時代の1976年、後に夫となるブレア氏が中にいる間も外で立って待たされたという。

英ロンドン中心部にある「ギャリック・クラブ」=2024年5月18日、篠田航一撮影

 近年はこうした体質に批判が高まり、今年3月には女性弁護士らが「女性差別を助長している」などと抗議活動を実施した。同クラブは、「男女平等推進」を訴える多くの法曹関係者も会員になっているという。

 同クラブは5月7日、非公開の会合で女性入会の是非を2時間にわたって議論した。その結果、多数決で約60%が女性入会に賛成したという。【ロンドン篠田航一】

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