米国旗=米首都ワシントンで2023年11月14日午後、西田進一郎撮影

 米エネルギー省核安全保障局(NNSA)は16日、西部ネバダ州で核爆発を伴わない臨界前核実験を14日夜に実施したと発表した。核弾頭の安全性や信頼性、有効性などを維持・向上させるための情報収集が目的としている。臨界前核実験は、1997年の開始から通算34回目で、バイデン政権下では3回目。

 声明によると、実験は西部カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所と共同で、ネバダ州の地下施設で実施された。計画通りに進み、核爆発は起こらなかった。「ニンブル(機敏な)」と名付けた一連の実験の第1弾で、今後は西部ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所とも協力するという。

 臨界前核実験は、核爆発を伴わないため核実験全面禁止条約(CTBT)で禁止されていない。米国は、放射性物質の飛散を防ぐため核爆発を伴う核実験を92年に停止し、97年から臨界前核実験を続けている。

 バイデン政権下では2021年に2回実施した。NNSAのフルビー長官は23年6月の会合で、臨界前核実験を24年に2回実施する準備を進めていることや、10年後までに年3回ほどの実験を行う計画であることを明らかにした。【ワシントン西田進一郎】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。