LINEの利用者情報の流出問題で、総務省が運営元のLINEヤフーに行った資本関係に関わる行政指導が、日韓の新たな火種となっています。何が起きているのでしょうか。

ソウルの日本大使館前で行われた抗議活動。

「日本は直ちに韓国企業の不当な強奪を中断せよ!」

怒りの矛先は日本政府。何が起きているのかというと。

松本剛明 総務大臣(今年3月)
「LINEヤフーにおいて、通信の秘密を含む情報の漏洩という重大な事案が発生したことは誠に遺憾」

発端は去年、50万件を超えるLINE利用者の個人情報などが流出した問題です。総務省は、運営する「LINEヤフー」に再発防止を求める行政指導を2度行っていますが、ここで踏み込んだのが。

総務省の行政指導(3月)
「委託先から、資本的な支配を相当程度受ける関係の見直し」

総務省が指摘する「業務の委託先」とは、韓国のIT企業「ネイバー」。その「ネイバー」がLINEヤフーの大株主であり、資本の面では支配を受ける関係であるため、委託する業務の管理・監督が行き届かないと問題視しているのです。

そこで、資本関係の見直しなどを求めたわけですが、韓国では“日本政府が介入し、ネイバーから経営権が奪われるのでは”と懸念が拡大。

野党側はこの問題を材料に、日本との関係改善を進めてきた尹錫悦政権への批判を強めていて、大統領府も。

韓国大統領府 ソン・テユン政策室長
「(日本政府は)ネイバーの意思に反する不利な措置をとることは絶対にあってはならない」

こう、日本政府をけん制。野党の動きについて、「反日を助長する一部の政治的な動き」と批判しながらも追い込まれているようです。

韓国との間の新たな火種と化したこの問題をめぐって、日本政界からは。

自民党幹部
「行政指導の時点で、総務省は問題になるなんてまったく考えていなかった。韓国では総選挙もあったので、余計に政治問題化している」

日本政府は、「利用者の個人情報をしっかり保護する体制の確保が目的」だと強調し、韓国側の懸念を否定しますが、果たして伝わるのか。

ネイバーと並んでLINEヤフーを支配するソフトバンクグループの孫正義会長はおととい、自民党幹部と対応を協議していて、今後の展開が注目されます。

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