卓球などのように強豪国として知られるようになるのでしょうか。中国では今、スケートボードが人気・実力ともに急上昇中で、背景には政府の狙いもありそうです。

夏のパリオリンピックに向け、上海で始まったいわゆる「都市型スポーツ」の予選。

記者
「後ろの会場で今、試合が行われていますが、その横には来場者がスポーツを体験できるエリアも用意されています」

▼スケートボード、▼BMXフリースタイル、▼スポーツクライミング、▼ブレイキンという若者を中心に人気のある4競技のオリンピック出場枠が争われます。

会場には競技体験エリアも用意され、特に多くの人が集まっているのがスケートボード。実は今、中国でスケボー人気が急上昇しているのです。

上海では夕方になると、公園や駅前の広場でスケートボードをする人の姿がよくみられます。

上海市民
「週に3日か4日はスケボーをしています」
「健康にもいいし、人と交流するツールにもなるんです。スケボーがあれば、新しい友達ができます」

習い事としてもスケートボードは人気だといい、子どもたちが大人顔負けのテクニックを披露していました。

スケートボード教室を運営
「いま、上海にスケートボードクラブは30~50程あって、それぞれに1000人から2000人の生徒が在籍しています」

2021年に完成したこちらのスケートボードパークは元々は「上海万博」の会場跡地。こうした市の中心部に広い場所や充実した設備が整えられているのには理由がありました。

スケートボード教室を運営
「上海の土地はとても高いのに、政府も進んでスケートボード業界を支援してくれています。練習場も増えています」

中国政府がスケートボード競技を支援しているのです。中国体育局によると、2020年以降、中国のスケボー人口は倍増し、すでに1000万人を超えています。

人気とともに実力も急成長していて、2021年の東京オリンピックでは目立った成績は挙げられなかったものの、去年、中国で行われたアジア大会では日本人選手を抑えて、男女で3つの金メダルを獲得。

中国でこれまで馴染みのなかったスケートボードですが、中国の政治や社会情勢に詳しい専門家は中国政府の狙いをこう指摘します。

現代ビジネス 近藤大介 編集次長
「2021年の東京オリンピックの時に、この種目を中国の視察団が見て、これは中国でいけるぞ、確信を持ったと。スケートボードというのは非常に上達が早くて、しかも手軽にできるし、育成方法をうまくやれば、卓球とかバドミントンのようにすぐに世界レベルになっていくと思います」

スケボーを卓球やバドミントンのような国技にしたい、というわけです。

パリオリンピックのスケートボードで中国が台風の目になるのでしょうか。

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