香港情報機関の活動に協力したとして訴追された男性(右)。英メディアは、在英香港経済貿易代表部の幹部だと報じている=ロンドンで5月13日、ロイター

 英国警察は13日、香港情報機関の活動に協力したとして、在英香港経済貿易代表部の幹部や英移民局職員など3人を国家安全保障法違反の罪で訴追した。英デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、この幹部らが英国に住む香港の民主活動家たちを監視していたと報じている。

 報道によると、訴追されたのは、香港政府の対外代表機関にあたる経済貿易代表部の幹部、ロンドン・ヒースロー空港の国境警備隊員、英移民局職員の計3人。代表部幹部は香港では警察官を務めていたという。

 3人は今月1日、英中部の香港民主活動家の住宅に侵入しようとした疑いで拘束された。昨年12月~今月、香港情報機関に協力し、不法な情報収集活動に関与した疑いも持たれている。

 香港では2020年に国家安全維持法が施行されるなど民主派への取り締まりが強化され、活動家が旧宗主国の英国など海外に亡命する例が相次いでいる。

 在英中国大使館は13日、「英国は事案を捏造(ねつぞう)し、香港政府を不当に非難している」との声明を発表。香港に関して、英国が口出しする権利はないと批判した。

 香港政府トップの李家超行政長官は14日の記者会見で、在香港英総領事館を通じて英当局に事件に関する情報を提供するよう要求したと説明した。【台北・林哲平】

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