南シナ海での領有権対立をめぐり、中国側がフィリピン政府の対応に問題があるとの批判を強めるなか、フィリピン国家安全保障会議は「虚偽の情報を拡散している」として、中国大使館員を国外追放する方針を明らかにしました。

フィリピン国家安全保障会議は10日、中国大使館の関係者などが南シナ海問題をめぐり、フィリピン軍司令官と大使館員との通話の録音をもとに「虚偽の情報を拡散している」と指摘。「悪質な妨害工作だ」として、関与した中国大使館の職員を「国外追放しなければならない」と強調しました。

中国大使館は先月、両国の緊張が高まる南沙諸島の現状を管理するための「新たな合意をフィリピンとの間で結んでいたと主張。その上で、フィリピンが一方的に破棄した」などと批判していました。

また、フィリピンメディアの「マニラタイムズ」は8日、この「合意」をめぐり、南シナ海を管轄するフィリピン軍の司令官が中国大使館員と今年1月に電話した際の録音を中国側から入手したとして、その内容を報じました。

電話の中で司令官は、「中国側の提案に同意している。フィリピン国防省も承認している」という趣旨の話をしたとしています。

中国外務省 林剣報道官
「フィリピン側の発言は彼らが事実や証拠にうしろめたさを感じていることの証だ」

一方、フィリピン政府の方針に対し、中国外務省の林剣報道官は会見でこのように反発。「挑発行為をやめるよう求める」と述べています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。