芝生の上でじゃれ合う2匹の犬は、今、中国で動物虐待論争が起きている“パンダ犬”。
地元政府がSNS上で公開した映像で、2匹の名前は「ショウロンポウ」と「干しトウフ」で、いずれもプロに染められたチャウチャウ犬。「養護されていて、とても健康です」などと説明されている。
このパンダ犬をめぐっては、アメリカの大手メディアも動「物虐待なのでは」と報じるなど、国境を越えて注目が高まっている。
事の発端は、中国・江蘇省泰州市の動物園が、お客さんを増やすために白と黒に染めたパンダ犬を展示したことだった。
SNS上には、胴体と耳が黒く染められた犬の目元を黒く染め、パンダ犬へと変身する様子を撮影した動画も投稿されている。
子犬などのペット販売会場の映像では、当たり前のようにパンダ犬が販売されていて、抱っこした女性が満面の笑みを浮かべる様子も確認できる。
2007年には、個人でパンダ犬を作成した中国人男性が地元テレビ局に出演し、虐待かどうか討論となったこともあった。
パンダ犬を販売する業者は、「人も年を取ったら美しさを追求するため髪を染めるでしょう。動物虐待ではない」と話している。
こうした犬のカラーリングは、パンダ犬だけではない。
中国のSNS上には、黒い染料を塗られたトラ柄の犬や、キツネそっくりのカラーリングがされた犬の姿も。カメラに目を合わせている犬は、本物のコアラと見間違えるほどの完成度。
白い毛を黄色に染め、茶色の斑点模様を入れた“キリン犬”と、そのまま散歩する様子もあった。
また、背中に人気ゲームのキャラクターが描かれた犬も確認できた。
相次ぐ犬へのカラーリングは安全性に問題はないのか、動物の生態にくわしい、生物行動進化研究センターのパンク町田理事長は「犬に対して害を及ぼすような、薬害のあるような成分でないのであれば問題はないと思います。要するに、皮膚呼吸ができなくなるようなものであれば問題がありますけど、皮膚呼吸ができる以上はそんなに影響はないと思います。色は関係ないと思います」「『同じ時間この台の上にいなさい』といって無理やり(毛を)とかすのと毛を染めるのと、どっちがストレスかかりますかということ」と話した。
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