イスラエル軍による空爆を受け、病院に運び込まれる女性(中央)=パレスチナ自治区ガザ地区で2023年12月5日、ロイター

 米コロンビア大は6日、優れた報道などをたたえるピュリツァー賞を発表し、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を取材するジャーナリストたちを特別賞に選んだ。

 選考委員会は「ガザ地区での戦争を報じるジャーナリストやメディア関係者の勇気ある働きを評価する」と選考理由を説明。その上で「凄惨(せいさん)な状況下で、パレスチナ人らの話を伝えるため、途方もない数のジャーナリストたちが命を落とした」と指摘した。また、犠牲者には詩人や作家も含まれ、こうした状況は「人間の経験に関する貴重な記録が失われていることを意味する」とした。

 選考委はこのほか、音楽ジャンルの一つ、ヒップホップの地位確立に貢献し、2021年に亡くなった作家で批評家のグレッグ・テイト氏も特別賞に選んだ。

 注目度の高い公益部門では、保守派の連邦最高裁判事が共和党支持者の資産家から豪華旅行の接待を受けたことなどを報じた非営利の米調査報道機関「プロパブリカ」を選出した。この報道が端緒となり、連邦最高裁は昨年11月、構成する9人の判事に関する初めての倫理規定を発表した。【ニューヨーク中村聡也】

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