イエス・キリスト生誕の地とされるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のベツレヘムにある聖カテリナ教会で24日夜から25日未明にかけて、恒例のクリスマスミサが行われた。ガザ地区で戦闘が続いていることに配慮して、巨大なクリスマスツリーの展示は今年も中止。人々は静かに、早期の停戦を祈った。
戦争の影響でイベントも中止され、教会周辺は閑散としていた。レストランで働くカデル・アブジュレスさん(30)は「いつもなら、観光客らで店は満席なのに誰も来ない。悲しいクリスマスだ」と嘆いた。
ガザ地区で4万5000人以上が死亡する中、イスラエル軍はヨルダン川西岸でも軍事作戦を展開している。今月2日夜には軍がベツレヘム近郊のアイーダ難民キャンプなどの住宅に押し入り、数人を拘束した。軍は武器などを押収したと主張している。
アイーダ難民キャンプで暮らす美容師のアブドさん(29)は「ここに戦闘員はいない。我々はただ平和に暮らしたいだけだ」と語った。その上で「戦争はもうたくさんだ。来年こそは、平和にクリスマスを祝いたい」と願った。【ベツレヘムで松岡大地】
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