ヨルダンとカタールの閣僚が23日、アサド政権崩壊後のシリアの首都ダマスカスを訪問し、暫定政権を主導する旧反体制派「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)のジャウラニ(本名アフマド・シャラア)指導者とそれぞれ会談した。ロイター通信などが報じた。
反体制派を支援してきたトルコに続き、暫定政権との関係構築にいち早く乗り出した形だ。会談では、シリア情勢の安定化や内戦からの復興などについて協議したとみられる。
ロイター通信や中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ヨルダンのサファディ外相は会談後、「支援の用意があると明確に伝えた」と語り、復興を援助する考えを示した。アサド前政権は国家ぐるみで「カプタゴン」と呼ばれる中毒性のある薬物を中東地域に輸出して資金源としていたことから、協力して密輸対策を取ることでも一致した。
一方、カタールのフライフィ外務担当国務相も「シリアはこの重要な段階で支援を必要としている」と述べ、アサド政権時代に欧米などが科したシリアへの経済制裁を解除することの重要性を強調。会談では、エネルギー分野や港湾、空港などのインフラ建設に投資する方針も明らかにしたという。
シリアでは内戦下でさまざまな武装勢力が乱立し、イスラム過激派も暗躍した。それだけに、シリアの安定は周辺国にとって重要な課題となっている。【カイロ金子淳】
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