日本製鉄による買収計画を巡り、USスチールのCE0は「中国はこの取引が失敗することを望んでいる。そうさせてはならない」とニューヨーク・タイムズに寄稿しました。
アメリカ鉄鋼大手USスティールのデビット・ブリットCEOは22日、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、この買収は「アメリカの製造業の未来にとって極めて重要な機会だ。アメリカは正しい決断を下さなければならない」と主張しました。
そのうえで、この取引が「事実上、アメリカの鉄鋼産業を維持できる唯一の選択肢だ。この取引を阻止することは、ピッツバーグが鉄鋼の街であった100年以上の歴史に終止符を打つことになる」と買収阻止の動きに警鐘を鳴らしました。
また、日本製鉄による買収は「我々の最も強力な同盟国の一つとの関係を深めることによって、アメリカの世界的な地位を強化し、中国の露骨で野放図な市場操作に対抗することを可能にする」と指摘しました。
「中国の競合他社もこの取引に注目しており、失敗することを望んでいる。この取引が実現すれば、中国による世界の鉄鋼生産の支配力は弱まるだろう。この協定がなければ、私たちはより脆弱(ぜいじゃく)になる。そうさせてはならない」として、日本製鉄による買収がアメリカが中国に対抗するうえでも重要だとの認識を強調しました。
買収計画へのアメリカの委員会による審査の期限は23日とされ、ロイター通信などは、買収がバイデン米政権によって阻止される見通しだと伝えています。
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