尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布で、軍OBで現在は「占師」をしているノ・サンウォン元情報司令官が「尹氏は今年が強運だからこの時期を逃してはいけない」と金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相に助言していたと韓国紙「朝鮮日報」が23日、報じた。戒厳令の宣布の日程に、占師が関与していた可能性が浮上した。
金氏は尹氏の側近で、戒厳令の宣布を尹氏に提案した。ノ氏は陸軍士官学校で3年先輩の金氏と現役時代から親しく、退官後も軍内で一定の影響力を維持していたとみられている。ノ氏は18日に内乱などの容疑で逮捕された。
朝鮮日報によると、ノ氏は警察の取り調べに対し、戒厳令宣布の2、3カ月前に金氏にこうした助言をし「金氏はこれを聞いてうれしそうだった」と供述したという。ノ氏は尹氏の「観相」(人相)などに基づき助言したとも述べたという。金氏は当初、今年中の戒厳令宣布に否定的だったといい、ノ氏の助言が日程に影響した可能性がある。
またノ氏は取り調べをする警察官に対しても「観相が良いですね」などと話しかけたという。
韓国では多くの政治家や経済人らが悩み事がある時などに占師に相談すると言われている。尹氏の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏も、複数の占師と親交があると度々報じられている。
韓国メディアによると、ノ氏は戒厳令の宣布の2日前の12月1日、ソウル近郊のハンバーガーチェーン「ロッテリア」でムン・サンホ情報司令官ら軍幹部に対し「戒厳令がもうすぐあるから備えろ」と指示。選挙管理委員会で「不正選挙」の証拠を確保するよう命じるなど、戒厳令の宣布に計画段階から関わったとみられている。【ソウル福岡静哉】
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