ウクライナ軍の「Peklo」ドローンミサイル Volodymyr Tarasov via Reuters Connect

<ドローンとミサイルで攻撃を受けたロシア側は「大半の標的を空中で無効化した」とするが製油所が炎に包まれる動画がネット上で拡散されている>

何が起きたのか?

ウクライナ軍がロシア南部にある石油精製所とその近郊にある飛行場をドローンおよびミサイルで攻撃したと報じられている。ソーシャルメディア上で共有されている動画には、11月19日にロシア南部ロストフ州にあるノボシャフォチンスク製油所が爆撃を受けた時の様子が映っている。地元住民によれば、複数回の爆発があったという。

■【動画】「あたり一面で海のような爆発...」 ロシア製油所、ウクライナ軍によるドローンとミサイルによる攻撃の映像

ウクライナは7月にも同製油所を攻撃しており、この時には石油150万トンをはじめ5億4000万ドル相当の燃料製品が失われていた。本誌はこの件についてウクライナ国防省にコメントを求めたが、これまでに返答はない。

ウクライナは国産のドローンを使用してロシア領内への攻撃を強めており、ロシアが戦闘を継続する上で不可欠な石油処理施設を標的としている(ただし多くの場合、ウクライナは攻撃について直接の責任を認めることはない)。

ウクライナ国防省情報総局のアンドレイ・ユソフは12月6日、これまでにロシアの燃料施設の3分の1がウクライナ軍の攻撃を受けたか、それによる被害を受けていると述べた。各種制裁によりロシアは石油関連設備の輸入が制限されているため、損傷を受けた製油所の修理はますます難しくなっている。

これまでに分かっていること

ロイター通信の11月の報道によれば、ノボシャフォチンスク製油所とほかの2つの製油所(トゥアプセ製油所とイリイチ製油所)はこの数カ月、生産を停止または削減しており、その結果としてロシアの燃料輸出が減少して企業や国の収入が減っている。

ロシア当局は一連のドローン攻撃について「テロ行為」だと非難しているが、そのロシアはウクライナへのドローンおよびミサイル攻撃を続けており、冬を越すのに不可欠なエネルギーインフラを標的としている。

ロシアのテレグラムチャンネル「アストラ」は複数の目撃者の話を引用し、12月18日の深夜過ぎにノボシャフォチンスク製油所の近くで爆発音が聞こえたと報じた。同チャンネルには、同製油所が炎に包まれている様子を捉えた動画も投稿された。

ロストフ州のユーリー・スリュサリ知事はテレグラムへの投稿の中で、ウクライナ軍による攻撃には30超のドローンやミサイルが使用され、落下してきた破片で1人が負傷したと述べた。

ロシアメディア「マッシュ」のテレグラムチャンネルは、ドローンは同じロストフ州内のバタイスクとタガンログにある飛行場にも向かっていったが「防空システムがこれらのドローンへの対応を行っている」と述べ、次のようにつけ加えた。「これらの地域では防空システムが3時間にわたって作動しており、これまでに少なくとも9つの標的が破壊された」

目撃者と当局者による証言

スリュサリはテレグラムに「ロストフ州は敵による大規模攻撃に直面した。敵は30機超のドローンとミサイル3発を使用した」と書き込み、さらにこう続けた。「タガンログ、バタイスク、ロストフ、シャフティ、カメンスク、ミレロボとノボシャフォチンスクを守るために防空部隊が配備された。大半の標的は空中で無力化されたが、ノボシャフォチンスク製油所では火災が発生した」

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問はX(旧ツイッター)上で「この製油所には今年に入ってから複数回の攻撃が行われており、それ以降、製油所は十分に機能していない」と述べた。

テレグラムチャンネル「アストラ」はある目撃者の発言として「あたり一面で海のような爆発が起きていて......ミサイルが撃墜される音が聞こえた」と伝えた。

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