韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は20日、「非常戒厳」の宣布をめぐり内乱容疑で捜査している尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対し、25日午前10時に出頭するよう求める要請書を送付したと明らかにした。ただ、尹氏は高捜庁が18日の出頭を求めた要請書の受け取りを拒んでおり、今回も拒否する可能性がある。
尹氏側の弁護士は、出頭要請への対応も含めた今後の方針について、弁護団が正式に発足した後に明らかにする方針だ。高捜庁は、尹氏が繰り返し出頭を拒否する場合、裁判所に逮捕状を請求することを検討する。
また警察は20日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行(首相)ら閣僚9人から、任意で参考人として事情を聴いたと明らかにした。聯合ニュースが伝えた。韓氏らは3日に尹氏が戒厳令を宣布する直前の国務会議(閣議)に出席していた。韓氏ら多くの閣僚が閣議で戒厳令に反対したと主張している。
高捜庁は政府から独立した捜査機関。大統領や国会議長、判事、検事ら高官による不正を取り締まるため、進歩系の文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で2021年に発足した。今回は検事ら15人が捜査にあたる。ただ、経験が不足しているとして、一部で捜査能力を疑問視する声もある。
尹氏に対する捜査は、複数の捜査機関が競うように進めていたが、高捜庁が18日に検察と協議し、同庁や警察などで構成する合同捜査本部が中心となって担うことで合意した。【ソウル福岡静哉】
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