ロシア海軍の演習での「Su-30」戦闘機(2019年9月)BeAvPhoto-shutterstock

<ウクライナ国防情報局が公開した映像にはロシアのSu-30戦闘機とみられる機体が大炎上する様子が映っている>

ロシア軍の戦闘機1機がロシア国内の飛行場で破壊された。ウクライナ軍は炎上した戦闘機とされる映像を公開している。

【動画】滑走路でロシアの戦闘機「Su-30」が大炎上...走り去りながら撮影の衝撃映像をウクライナが公開

ウクライナ国防情報局は12月14日、クリムスク(Krymsk)の飛行場で「敵の(スホイ, Sukhoi)Su-30戦闘機が炎上した」と発表した。クリムスクはロシアが占領を続けるクリミア半島に隣接するクラスノダール地方にあり、前線に近いことから何度もウクライナの攻撃を受けている。

この前日に出した声明では「クラスノダール市の壊滅的な火災でロシアの鉄道機関車3両が使用不能になった」「侵略者はこの軍事施設をウクライナに対する犯罪的戦争に利用していた」と主張した。

動画に添えられた翻訳によれば、テレグラムに掲載された声明には「ウクライナ国民に対する全ての戦争犯罪は公正な報いを受ける」とある。

1分間の映像は機関車から出火する場面で始まり、続いて空港の衛星画像に切り替わる。滑走路上の航空機の機体下部から炎が噴き出す映像もある。

航空機や機関車がどのように攻撃されたのかは不明で映像の詳細は確認できなかった。本誌はロシア国防省に電子メールでコメントを求めている。

ウクライナ国防省は、今回の戦争で破壊したロシア機の集計を10月9日以来更新しておらず、12月14日現在では369機となっている。

動画や静止画をもとにロシアの損失を記録しているウェブサイトの「Oryx」によれば、今回の戦争でロシアが失った航空機は132機。うちSu-30戦闘機は12機だった。

ロシアが一部を占領したヘルソン州でロシア政府に任命された知事の報道官を務めるウラジーミル・サルド(Vladimir Saldo)によると、ヘルソン州北部ではウクライナの航空機1機がロシアの防空システムに撃墜された。

国営タス通信(Tass)によると、サルドはこれに先立ち、ヘルソン州に航空警報を出していた。

一方、ウクライナは、ロシアのオリョール市にある給油所をドローンで攻撃したと発表した。ウクライナ軍はロシアの軍事力の要衝を狙って攻撃を続けている。SNSにはドローンが貯蔵タンクを攻撃して爆発を引き起こす場面と思われる映像が投稿された。

ロシア軍も無人航空機(UAV)を使ってウクライナ爆撃を続けている。ウクライナによれば、同国南部と中部の11地域でロシアが発射したドローン132機のうち、58機は防空システムで撃墜した。

12月13日にはロシアがウクライナの複数地域でエネルギー施設に対し、290発のミサイルとドローンを使って上空から大規模攻撃を仕掛けた。

(翻訳:鈴木聖子)

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