米国のジョン・カービー大統領補佐官(広報担当)=2月27日、秋山信一撮影

 カービー米大統領補佐官は16日、ウクライナに侵攻したロシアに派遣された北朝鮮兵について、「かなりの数の死傷者が出ている」との認識を明らかにした。ロイター通信によると、ウクライナの情報機関も、少なくとも30人の兵士が週末に死傷したとの見方を示している。

 米国防総省のライダー報道官によると、ロシアには北朝鮮兵約1万2000人が派遣され、ウクライナが越境攻撃中の露西部クルスク州で主に歩兵として作戦に参加している。

 カービー氏は記者団に、北朝鮮兵が戦線の後方から最前線に移動してきていると説明。死傷者の正確な数字は不明としながら、「数十人単位」に上るとし、「北朝鮮にとって無視できない損失だ」と指摘した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、「相当な数」の北朝鮮兵がクルスク州で戦闘に加わり始めていると説明。他の前線に広がる可能性もあるという。

 北朝鮮兵のロシアへの派遣を巡っては、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長が、その見返りとして、ロシアから北朝鮮に核・ミサイル技術が渡っているとの認識を示す。

 また米インド太平洋軍のパパロ司令官によると、ロシアが北朝鮮にミグ29戦闘機とスホイ27戦闘機を送ることで合意したという。【ワシントン松井聡】

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