韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する捜査の包囲網が狭まっています。
検察に加え、警察などが出頭要請です。
警察などの合同捜査本部は尹大統領に対し、内乱と職権乱用の疑いで18日午前10時に出頭するよう要請すると発表しました。
一方、これとは別に検察が15日に出頭を要請しましたが、尹大統領は応じませんでした。
韓国メディアは、検察が16日に改めて出頭要請を出したと報じました。
尹大統領が応じない場合、検察が拘束令状を請求する可能性もあるとしています。
尹大統領への捜査は今、どのように行われているのでしょうか。
FNNソウル支局・柳谷圭亮記者が中継でお伝えします。
現在、複数の捜査機関が捜査に乗り出しています。
「警察」と政府高官らの捜査を行う「高官犯罪捜査庁」などの合同捜査本部、そして「検察」の特別捜査本部、この2つが同時並行で捜査を行う状況となっています。
――どうして2つの捜査主体が競うような形になっているのか?
これは、それぞれの捜査機関が存在感をアピールしたいからとも考えられます。
尹大統領の前の大統領、左派系の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は検察への不信感から、それまでの強大な捜査権を警察にほとんど移行させました。
一方、文政権下でできた「高官犯罪捜査庁」も2021年の発足以来、起訴に至った事案はたった数件と力を発揮できていません。
今回の非常戒厳を巡っては、警察もトップの2人が内乱の重要任務を担った疑いがあることから、組織への不信感を生まないためにも捜査の手を緩めることはできません。
各捜査機関が現職大統領の逮捕という史上初の手柄を立てて信頼を得たい、捜査力を国民に認めてもらいたい思惑がありそうです。
捜査機関が複数ある中、韓国メディアは尹大統領が自分に有利な捜査機関を選べるようになると批判的に伝えていて、今後、尹大統領がどの捜査機関の出頭要請に応じるか注目されています。
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