韓東勲氏=ソウル市の「国民の力」党本部で2024年4月11日、福岡静哉撮影

 韓国の保守系与党「国民の力」の韓東勲(ハンドンフン)代表は16日、記者会見を開き、辞任する意向を表明した。韓氏は尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案への賛成を明言。14日の弾劾案可決につながったとして、党内から激しい批判を受けていた。

 韓氏は「党代表としての正常な業務遂行が不可能になった。苦痛を受けたすべての国民に心から謝罪する」と述べた。

 与党内では弾劾訴追案に反対する議員が多く、韓氏は弾劾以外の早期退陣の方法を模索してきた。だが、採決2日前の12日に発表された尹氏の談話で尹氏に早期退陣の意思がないと判断し、「弾劾賛成」を表明した。党自体は「反対」の方針を維持したが、少なくとも12人が造反し、賛成多数で可決された。

 その後、党執行部の最高委員5人全員が辞意を表明。党指導部は事実上崩壊していた。【ソウル日下部元美】

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