シリアにある巨大な墓に火が放たれ、棺のようなものが燃やされました。崩壊した独裁政権への憎悪、そして、国の再建に向けた期待を現地取材しました。


「1、2、3、はい、アサド、崩壊」

こんなかけ声の体操はもちろん、ここから朝日を見ることすら、ままならなかったそうです。

「14年ぶりにダマスカスの町並みを眺めた。反政府運動が起きてから、この山は立ち入り禁止だった」
「私たちは虐げられていた。見られなかったものが今は見られる。とてもうれしい」

シリアの人々がこう話す理由。言うまでもなく、半世紀以上続いた独裁政権から解放されたからです。

「アサドの一族に呪いを!」

棺のようなものが燃え、反体制派の兵士たちが踏みつけています。

「ここに、アサドの父・ハフェズ、兄・バセル、母・アニサの墓がある。すべてのシリア国民を虐げた汚い連中だ」

ロシアに亡命したバッシャール・アサド前大統領。その前の大統領が父親のハフェズ・アサド氏でした。2000年に死去し、大々的な葬儀が行われたハフェズ氏。故郷の巨大な霊廟で眠っていましたが、今回、火をつけられました。

「村人たちが墓を燃やして破壊するのを見た。同郷の人たちにも憎まれている。人々を飢えさせ、弾圧し、流浪させたからだ」

記者
「シリア軍の軍用車両ですが、市民が乗って喜びを爆発させているような状況です。小さな子どもたちも、銃を持って誇らしげな顔をしています」

シリアは今後、反体制派勢力の中心組織「シリア解放機構」が主導し、国の再建を進められるかが焦点です。

解放機構の戦闘員だという男性は。

「第一に圧政のない政府を、第二にすべてのイスラム教徒に自由を。誰も迫害されないこと。イスラム教こそが拠り所だ」

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