ノーベル平和賞の授賞式が日本時間12月10日夜、ノルウェーの首都・オスロで開かれます。授賞する「被団協」の代表団のなかには東海地方在住の人もいて、パネル展や語り部などの活動を続けてきました。
今回の被団協の代表団には、岐阜県在住の人もいます。岐阜市に住む被団協の事務局長・木戸季市さん(きど・すえいち 84)です。
木戸季市さん(84)は1945年、長崎の爆心地からおよそ2キロの自宅近くで被爆しました。大学卒業後は岐阜県内で短大教員を務め、被団協の県組織「岐阜県原爆被爆者の会」の会長となりました。
木戸季市事務局長:
「被爆者は亡くなっていっている。やがてゼロになります。だけども、核兵器による被害の危険性はより大きくなって、全ての人の上に降りかかっている」
木戸さんと共に活動する「県原爆被爆者の会」副会長で、岐阜県大垣市在住の西田詩津子さん(81)は、2歳の時に広島で被爆し、大垣市に集団就職しました。
西田詩津子さん:
「(木戸さんは)『体調が悪くても僕は(授賞式に)行ってくるぞ』と言ってね、『世界の人に訴えたい』と」
西田さんは木戸さんらと共に、原爆の惨状を伝えるパネル展「原爆と人間展」を20年以上にわたり県内各地で開催し、語り部も続けています。ノーベル平和賞は、被爆者らの草の根運動による核廃絶への努力に贈られました。
西田さん:
「今までの自分らがやってきたのを認めてもらえたということと、自分らだけじゃないと、それを応援してくれているいろんな平和団体の方の力があってこそ」
西田さんは授賞を機に、原爆や戦争の悲惨さを改めて知ってもらい、世界の人々が平和を求めていく行動につながればと話します。
西田さん:
「戦争を起こすのも人間ですし、やめましょうと言うのも人間ですから、話し合えるんじゃないかなと思いますが。『戦争をやったらだめ』ということを伝えていきたいと思います」
戦後80年を前にノーベル平和賞を授賞する被団協。授賞式は日本時間12月10日午後9時からです。
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