ロシア当局は、プーチン大統領がシリアのアサド大統領の亡命を許可したと明らかにしました。
ペスコフ大統領報道官は9日、アサド大統領のロシアへの亡命は「国家元首の決断だ」と述べ、プーチン大統領が許可したと明らかにしました。
アサド氏の所在については、国営タス通信が在モスクワのシリア大使館の関係者の話として「モスクワにいる」と伝え、大使館の今後については「新政権からの指示を待っている」と報じています。
アサド氏の亡命をめぐっては、ロシア外務省は8日、アサド氏が大統領を辞職して国外に去ったことを発表し、その後、複数のロシアメディアが大統領府関係者の話としてアサド氏と家族がモスクワに到着し、人道的な配慮から亡命が認められたと報じていました。
ロシアは2015年、シリア内戦に軍事介入して以来、アサド政権の後ろ盾として10年近く軍事力で支えてきました。
しかし2022年のウクライナへの軍事侵攻開始後、シリア駐留軍の戦力や兵器をウクライナに投入したことで反政府勢力への抑止力が低下したとみられます。
アサド政権の崩壊を受け、一部のロシアメディアは「重要な同盟国を失った」、「軍事基地がなければ中東やアフリカでロシアの影響力を維持することはほぼ不可能」などと伝えています。
ロシアは、シリア西部タルトスの海軍基地と北西部ヘメイミーム空軍基地に軍を駐留させ、中東やアフリカへの軍事的影響力を行使する拠点としてきました。
シリアの反政府勢力は「駐留軍の安全を保証する」としていますが、新政権発足後も基地の使用権が継続されるかは不透明で、ロシアメディアは「ロシア軍の継続的な駐留は警戒すべき事態であると同時に、反政府勢力との交渉の切り札でもある」と報じていて、ロシアは今後、シリアで軍事基地が維持されるかが焦点となります。
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