韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案の採決を控える中、与党の代表が「尹大統領の速やかな職務執行の停止が必要だ」と述べたことで、事態は急展開を迎えています。ソウルの国会から中継です。

与党「国民の力」の韓東勲代表の方針転換ともとれる発言もあり、国会の中では議員や記者たちが行き来して落ち着かない雰囲気が続いています。

与党「国民の力」 韓東勲 代表
「大韓民国と国民を守るために、尹錫悦大統領の速やかな職務執行停止が必要だと判断する」

韓代表はこの理由として、尹大統領が3日に韓国で44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言した際、主要な政治家を逮捕するよう軍の司令官に指示していたことが確認されたと説明しました。

与党はきのう、弾劾決議案の採決に党として反対すると決定していましたが、韓代表のきょうの発言が与党議員の投票行動に影響を与える可能性があります。

Q.尹大統領に対する弾劾決議案の行方は今後、どうなりそうですか?

与党から8人以上の造反者が出れば可決されます。弾劾訴追案に賛成する意向を表明した与党議員が2人出た中、与党の議員総会が今も国会で開かれていて、新たな結論を出すのか注目されます。

弾劾訴追案の採決はあす夜に行われると見込まれていましたが、きょう採決すべきとの声が野党から上がっていて、状況は流動的です。

Q.尹大統領はどんな動きを見せていますか?

与党関係者の話では尹大統領はきょう午後、韓東勲代表と会談しました。その後、韓代表は「大統領は政治家の逮捕について直接指示しなかったと言った」と明らかにしたものの、「大統領から自分の判断を覆すほどの話は聞いていない」とも述べました。

また、尹大統領による「非常戒厳」をめぐって、検察はきょう、特別捜査本部を立ち上げると発表しています。

しかし今のところ、尹大統領自身から、この先どんな選択をするのかという発言は出ておらず、混乱した事態を韓国市民も見つめている状態です。

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