トランプ次期米大統領の弁護団は4日、2020年大統領選で敗北した南部ジョージア州での結果を覆そうとしたとして起訴された事件の裁判について、起訴を却下するよう同州の裁判所に申し立てた。来年1月の就任が迫る中、裁判所には次期大統領に対する「これ以上の刑事手続きを受理する管轄権」がないなどと主張した。
弁護団は、裁判所に提出した書面で「現職大統領は州であれ、連邦であれ、起訴やいかなる刑事手続きからも完全に免責される」という司法省の方針を提示。同州によるトランプ氏の継続的な起訴や訴追は違憲だとし、裁判管轄権の欠如を理由にトランプ氏に対する起訴をただちに却下すべきだなどと訴えた。
事件を巡っては、捜査を指揮したウィリス地区検事に関するスキャンダルが浮上。ウィリス氏が担当として適格性があるかを審理する準備が続いており、事件そのものの裁判は始まっていない。
トランプ氏は、連邦法違反の罪で2件、この事件を含めて州法違反の罪で2件の計4件の刑事裁判を抱えていた。しかし、大統領選で勝利したことを受け、連邦法違反の2事件については特別検察官が11月下旬に起訴を取り下げた。
一方、州法違反の2事件のうち、不倫相手の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判は、既に有罪評決が出ているものの量刑の言い渡しは延期されている。トランプ氏側は、バイデン大統領が次男ハンター氏に恩赦を与えたことなどを引き合いに、この裁判の棄却を申し立てている。【ワシントン西田進一郎】
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