韓国の国会の本会議場=ソウル市で2024年6月5日、福岡静哉撮影

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を巡り、与党「国民の力」は5日、「反対」の方針を確認した。ただ、与党議員のうち8人が造反して賛成票を投じれば弾劾訴追案は可決され、尹氏の職務は停止する。訴追案は早ければ6日にも採決される見通しで、与野党の攻防は激化しそうだ。

 尹氏は3日夜、「非常戒厳」を宣布したが、国会が4日未明、解除を要求する決議案を可決し、戒厳令は無効化した。最大野党「国民の力」などは尹氏の退陣を要求。尹氏が受け入れなかったため、野党6党が4日午後、「戒厳令は憲法違反だ」として尹氏の弾劾決議案を国会に提出していた。

 弾劾訴追案の可決には在籍議員300人のうち3分の2に当たる200人以上の賛成が必要。野党6党と無所属の計192人に加え、与党議員108人のうち8人以上が造反して賛成すれば可決される。

 弾劾訴追案が国会で可決されれば、憲法裁判所が尹氏の罷免の是非を判断する。憲法裁が尹氏の非常戒厳令を違憲だと判断すれば、尹氏は失職し、大統領選となる。【ソウル福岡静哉】

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