トランプ次期米大統領は4日、前政権で通商政策の側近として仕えた対中強硬派のピーター・ナバロ氏を、貿易・製造業担当の上級顧問に起用すると発表した。自らが運営するソーシャルメディア(SNS)に投稿した。関税の大幅引き上げなど、トランプ氏の掲げる保護主義的な貿易政策を推進するとみられる。
トランプ氏は、ナバロ氏について「不公正な貿易協定の再交渉を支え、私の唱える関税・貿易政策の全てを迅速に実行してくれた」と前政権での仕事ぶりを高く評価。トランプ氏が掲げる「米国製品を買え」「米国で雇用せよ」との二つの「神聖なルール」に忠実だったとも述べた。
次期政権でのナバロ氏の役割については「製造業、関税、貿易に関する公約の実現を支援すること」と明記。「米労働者を守り米製造業を再び偉大にするため、素晴らしい仕事をしてくれるだろう」とした。
ナバロ氏は経済学者で、巨額の政府補助金などで価格競争力を高めた中国の貿易政策を批判し、トランプ氏の掲げる関税引き上げ政策を強く支持している。
ナバロ氏は2021年の連邦議会襲撃事件を巡り、下院特別委員会の召喚に応じなかったとして議会侮辱罪で有罪となった。今年3月に収監され、7月に出所していた。トランプ氏はSNSへの投稿で「ナバロ氏は『ディープステート(影の国家)』からひどい扱いを受けていた」とも主張した。【ワシントン大久保渉】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。