ロシアの航空ショーMAKSで展示された対砲兵レーダー「ズーパーク」(2005年7月、モスクワ州ジュコーフスキー) Public Domain
<「およそ10億フリヴニャ(約2400万ドル)」のレーダーシステムを100分の1のコストで破壊>
ドネツク地方でロシアの対砲兵レーダーシステム「Zoopark-1」の破壊に成功し、敵の軍事力に大きな打撃を与えたと、ウクライナの情報部隊が報告した。
【動画】野原に巨大な黒煙...ロシア軍「2400万ドル」の対砲兵レーダーをFPVドローンが爆破する衝撃シーン
11月29日にウクライナ国防省情報総局(GUR)のウェブサイトに投稿されたYouTubeのドローン映像は、同局が「1L219M Zoopark-1」だと主張するロシアのレーダーシステムが、無人機による綿密な偵察の後にウクライナの精密攻撃を受けたことを示しているという。ウクライナのメディア「Militarnyi」がそう伝えている。
Zoopark-1は非常に高度なシステムであり、飛来する弾丸の軌道を追跡し、発射地点をピンポイントで特定することで砲撃を探知し対抗するよう設計されている。
「ウクライナ国防省情報総局のクリラ(翼)部隊の兵士たちがレーダー基地を発見し、攻撃を行った」と、ロシアのプラウダ紙が報じた。
作戦の映像には、貴重なレーダーシステムが黒煙に包まれる様子が映っている。煙は攻撃で破壊された車両から立ち上っているものだ。この投稿は、作戦がドネツク地方のどこでいつ行われたかを明らかにしていない。
「こうしたシステムの価値はおよそ10億フリヴニャ(編集部注:約2400万ドル)。ロシアの『ズー(Zoopark-1)』を破壊するにあたって偵察に使用された4機の長距離FPVドローンは10万フリヴニャ相当だ。コスト比は1:1万。我々は闘い続ける! ウクライナに栄光あれ!」
本誌はこの映像や主張の真偽について直ちに確認することができず、29日のうちにロシア国防省とGUR、ウクライナのプレスセンターに電子メールでコメントを求めた。
Zoopark-1の爆破は、ロシアの高度な軍事技術に戦場で対抗するウクライナ軍の能力が高まってきたことを象徴する出来事だ。ウクライナにとって、ロシアの重要な軍事資産を標的にした攻撃の新たな成功例と言える。
本誌が11月28日に報じたように、ウクライナ軍はクリミアへの攻撃で500万ドル相当のロシアのレーダー機器を破壊。ロシア軍の防衛システムの一部を機能不全に陥れたとも主張している。
ウクライナ国防省は、GURがクリミア西部に配備された「Podlyot」レーダーシステムの破壊に成功したとも発表。ただし、どのように破壊したかは明らかにしていない。
軍事情報サイト「アーミー・レコグニション(Army Recognition)」によれば、Podlyot K-1は移動式レーダーシステムで、最大200の空中目標を同時に探知でき、探知距離は最大290キロに及ぶという。
このシステムは500万ドルとも言われ、ウクライナが戦争を通じて使用してきた無人偵察機のような、低高度の標的を探知するのに適した特別な設計になっている。2009年に開発され、15年以降、ロシアの防空部隊によって大々的に使用されている。
(翻訳:ガリレオ)
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