3日夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が緊急談話で政党の活動などを禁止する戒厳令を発令しました。ソウルから最新情報です。
(河村聡記者報告)
ある韓国メディアは「大統領によるクーデターだ」と伝えました。戒厳令は4日午前に解除されましたが、今も国会前には多くの市民が集まり、尹大統領を弾劾せよと声を上げ続けています。
尹大統領は4日夜、緊急の談話を発表し、野党が「司法や行政をまひさせている」とし、非常戒厳令を発令しました。
集会やデモだけでなく国会や政党を含めた政治活動を禁止したり、すべてのメディアや出版社は検閲を受けるとする内容です。
発令自体45年ぶりとあって、国民からはまず、「何が起きたか分からない」という困惑が広がりました。
その後、国会前には大量の警察と軍の特殊部隊まで投入され、国会内への侵入を阻もうとする議員側の関係者や集まった市民らと衝突し、一触即発の状態が続きました。
その後、国会に過半数の議員が集まることができ、戒厳の解除に向けた決議が可決されました。
その後、大統領は軍の撤収は指示し、4日午前5時ごろ、閣議で戒厳は正式に解除となりました。
夫人を巡る問題などで20%前後の支持率が続くなか、八方ふさがりの政権がとったこの奇策はほとんど理解を得られていません。
与党代表すらも早々に「違憲、違法だ」と反発していて、「弾劾が現実味を帯びてきた」とする見方も少なくありません。
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