先月27日、シリア第二の都市・アレッポに反政府勢力が進軍し、わずか3日で制圧しました。反アサドを掲げる勢力が、この街に入るのは、2016年以来、8年ぶりのことです。
この記事の写真 反政府勢力戦闘員(先月30日)「我々はダマスカスに向かっている。我々はハマーに向かっている。我々はホムスに向かっている」
アサド政権軍がいなくなったアレッポ。難民だった人たちも戻ってきました。
アレッポの住民「アレッポから避難して10年、私たちは戻ってきました。まだテントの中にいる民を無事に帰してくださいますよう、私たちのように、彼らも自分の町の解放を喜ぶでしょう」
2011年、『アラブの春』の機運は、シリアでも高まりました。しかし、独裁政権であるアサド大統領は、人民を徹底的に弾圧し、内戦に発展します。
アサド政権軍は、サリンなどの化学兵器を使ったともされ、国内は大混乱に陥り、『イスラム国』の台頭や、難民危機の引き金にもなった、今世紀最悪の内戦です。
アサド政権は、一時、崩壊寸前までいきますが、ロシアとイランとヒズボラが軍事援護を行います。これで反政府勢力は、ほぼ壊滅状態となり、この数年、大規模な戦闘は起きていませんでした。
そのバランスが崩れたのは、昨今の世界情勢と無関係ではありません。ロシアもイランもヒズボラも、軍事資源をシリアの外に裂き始めたからです。
今回、仕掛けた反政府勢力は、周到に準備していました。
反政府勢力『シリア国民連合』・バハラ議長「1年前から動員と訓練を本格化し、実行は決まっていた。アレッポを解放する。レバノンでの停戦が攻勢をしかける好機だと判断した」
ただ、アサド政権軍は、主要都市で空爆など、掃討作戦を始めました。連携するイラクの民兵組織が、国境を超えたという話もあります。
民間人約30万人が亡くなり、国内外合わせて1300万人の難民を生んだシリア内戦の再燃は、避けられそうにありません。
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