記者会見に臨むトルコのフィダン外相=アンカラで2024年12月2日、AP

 内戦中のシリアで反体制派とアサド政権の戦闘が再び激化していることに関して、隣国トルコのフィダン外相は2日、アサド政権側が自国民や反体制派と対話をすべきだとの認識を示した。トルコは反体制派の一部を支援しており、アサド政権の強硬姿勢をけん制した形だ。

 トルコとシリアは、2011年の内戦勃発前は良好な関係だった。だが、内戦で大勢のシリア難民がトルコへ逃れ、国境の治安は不安定化。内戦の対立構図を反映して、両国関係は悪化した。近年はアサド政権の優勢が明確となり、両国は関係修復に動いていた。

 一方で、トルコは敵対するクルド系武装勢力などに対抗するため、シリア北部への空爆を繰り返し、地上侵攻も実施した。アサド政権は関係正常化の条件として、トルコ軍のシリア北部からの撤退を求めたが、トルコは難色を示し、交渉は平行線をたどっていた。

 今回、シリア北部アレッポなどへ攻め込んだ反体制派の中には、トルコが支援するグループも含まれ、トルコの関与を指摘する声もある。トルコ当局者はロイター通信に対して、シリア反体制派の作戦について「トルコは支援も許可もしていない」と関与を否定した。【エルサレム松岡大地】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。