ABACA via Reuters
<ウクライナ軍はロシア国内のクルスク・ボストーチヌイ飛行場を長距離ミサイルATACMSで攻撃。爆発の瞬間の映像がSNSで拡散されている>
ウクライナ軍は、アメリカから供与されたクラスター弾を搭載した長距離ミサイルATACMSでロシア軍の航空基地を攻撃した。SNSに投稿された映像には、市街地近くの飛行場の広い範囲がクラスター弾で連続爆発を起こす様子が捉えられている。さらには飛行場内で撮影された、「目の前で無数の爆発が起きる瞬間」の映像も拡散されている。
■【動画】撮影者の目前で「無数の爆発」...ATACMS攻撃を受けたロシア基地、「クラスター弾」炸裂の瞬間映像
ロシア連邦共産党機関紙のプラウダは、戦術航空機が配備されているロシア西部クルスク州のクルスク・ボストーチヌイ飛行場が11月24日、2発のATACMSの攻撃を受け、クラスター弾頭の一部である子爆発体2発が飛行場で爆発したと報じた。
地理空間情報を提供するサイバー・ボロシュノは、ウクライナによる攻撃実施の情報をテレグラムに投稿したほか、クラスター弾が着弾する瞬間の映像もXに投稿した。ウクライナの攻撃は、同飛行場の駐機場を直撃したと伝えられているが、戦闘機が駐機していたかどうかは明らかになっていない。
クルスク州のアレクセイ・スミルノフ知事は、ウクライナのミサイル1発が同州の州境付近で撃墜されたとテレグラムに投稿した。また、ウクライナはミサイル7発を発射しており、ロシア軍がドローン7機を撃墜したと説明した。
ロシア紙「ノビエ・イズベスチヤ」によると、クルスク・ボストーチヌイ飛行場は、かつては民間空港だったが、2022年2月の戦争開始以降、ロシア南部の多くの空港と同じように閉鎖され、軍事施設として使用されるようになった。
バイデンによる攻撃の承認で両国の報復合戦が激化
ウクライナはこの日、軍用飛行場の他にも、ロシア西部にあるロシア軍のミサイル生産拠点である、タイフーン工場も攻撃した。この工場は、防空システム、戦闘車両、沿岸部隊用の部品を生産している。
ウクライナが米国製のATACMSを使ってロシアを攻撃したのは今回が初めてではない。ジョー・バイデン米大統領がウクライナに対し、米国供与の長射程ミサイルを使ったロシア領内への攻撃を承認した直後の11月19日、ウクライナ軍はロシア西部ブリャンスク州のロシア軍兵器庫に攻撃を行った。
ウクライナは翌20日には、英国とフランスが共同開発した長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を使って、クルスク州のロシア軍施設を攻撃した。これを受けてロシアは、「より強力な」対応を取ると表明した。
バイデンの承認以来、ロシアとウクライナ間の緊張は高まっており、両国は互いに報復攻撃を行っている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11月24日、ロシアが「ウクライナの10以上の地域に向け、攻撃用ドローン約150機、航空爆弾、ミサイル」を発射したとXに投稿した。
ゼレンスキーは、「残っている空中目標に対して、戦闘作戦は現在も継続中である」と説明。また、ロシアの攻撃によりウクライナのハルキウ、オデーサ、ザポリージャが被害を受けたと述べた。
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