イギリス議会下院で、終末期の患者が「安楽死」を選べる権利を認める法案が賛成多数で可決しました。
イギリス議会下院は29日、賛成330、反対275で「終末期成人法案」を可決しました。
この法案は、イングランドとウェールズの18歳以上の成人で、余命半年以内とされた終末期の患者が医師や裁判官の承認を得た上で、「安楽死」を選ぶことを認めるものです。医師が直接患者に致死薬を投与する「積極的安楽死」とは異なり、患者本人が薬を体内に取り込む必要があります。
『安楽死』賛成派
「この法案は、生か死かの選択を迫られている人々のためのものではなく、余命6か月以内の死に直面している人々に、どのように死ぬかという自主性と死期を短くする選択肢を与えるためのものです」
『安楽死』反対派
「障害者や高齢者、貧しい人々が愛する人に負担をかけないよう自ら命を絶つ決断をするという大きなプレッシャーにさらされることになる」
法案は今後、下院で2回目の採決が行われ、上院でも審理されます。
安楽死法案は2015年に否決されていますが、今月行われた最新の世論調査では、国民の73%が安楽死を認める法案を支持しています。
ヨーロッパでは、安楽死に関連した法制化の動きが広がっていて、オランダが2001年に世界で初めて安楽死を合法化した後、ベルギー、ルクセンブルクが続き、2021年にはスペインが合法化しました。
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