レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者カセム師は29日、イスラエル軍との停戦発効後初めてテレビ演説し、停戦合意を「承認した」と述べた。ヒズボラは27日の声明で「イスラエル軍に勝利した」と主張し、停戦受け入れを事実上表明していたが、公式に明言したのは初めて。
今回の停戦合意では、60日間の暫定停戦期間中に双方がレバノン南部から撤退し、レバノン軍が南部で支配権を確立することになっている。
中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、カセム師は演説で「合意履行のため、抵抗勢力(ヒズボラ)とレバノン軍が高いレベルで協力する」と表明。パレスチナの「解放」については、「目的はさまざまな方法で達成できる」と語った。
ヒズボラは昨年10月、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まったことを受け、イスラエル北部などに砲撃を開始。9月末にはイスラエル軍が地上侵攻し、レバノン各地で激しい空爆も続いた。
停戦は今月27日に発効したが、イスラエル軍は28日、停戦合意違反があったとして空爆などを実施。ヒズボラもイスラエル側が合意に違反したと主張しており、合意が順守されるかが注目されている。【リヤド金子淳】
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