アイルトン・セナさんが眠る墓地を訪れ、哀悼の意を示すファン=サンパウロで2024年5月1日、中村聡也撮影

 自動車レースのF1世界選手権で年間王者に3度輝いたブラジルの伝説的なドライバー、アイルトン・セナさんがレース中に事故死してから、1日で30年となった。セナさんが眠る故郷サンパウロの墓地には多くのファンが訪れ、追悼の意を示した。

 セナさんは1960年、サンパウロで生まれた。4歳のときに父親からゴーカートを与えられ、初めてハンドルを握った。84年にF1デビュー。「音速の貴公子」と呼ばれ、日本でも人気だった。しかし、94年のサンマリノ・グランプリ(GP)決勝でコーナーの壁に激突し、帰らぬ人となった。34歳だった。

 墓地にはこの日、次々とファンが詰めかけた。セナさんの肖像画や写真が飾られ、ブラジル国旗が広げられた。墓標に触れながら十字を切る人や、ひざまずいて涙を流す人もいた。

アイルトン・セナさんの墓を親子で訪れたジュニオール・トレビゾニさん(右)とジョアキンさん=サンパウロで2024年5月1日、中村聡也撮影

 ジュニオール・トレビゾニさん(48)は、セナさんが着用していたのと同じモデルのヘルメットを持参。「墓地の近くに置くことで、セナも喜んでくれれば」と語った。また「ブラジルを世界に知らしめてくれた。我々の誇りだ」と強調し、息子のジョアキンさん(11)を見ながら「セナのように皆を勇気づける人に育ってほしい」と話した。【サンパウロ中村聡也】

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