移動式レーダーを搭載したロシアの軍用車両 Ya_Sveta-Shutterstock

<ウクライナが破壊したのは、ロシアの新鋭の移動式レーダーシステム「Podlyot K-1」。最大200もの空中目標を同時に探知できるという>

ウクライナ軍は、ロシア軍の高額な装備が攻撃を受けて破壊されたと伝え、爆発の瞬間とされる映像を公開した。

【動画】ロシア軍「500万ドル」の最新鋭レーダーシステムが爆破される瞬間...ウクライナが公開した攻撃シーン

ウクライナ国防省情報総局(GUR)は4月27日に公開した映像について、ウクライナ国防情報局(DIU)と第15独立砲兵偵察旅団ブラックフォレストの部隊が、ロシアのレーダーシステム「48Y6 K-1 Podlyot」を標的とした場面と説明している。

アーミー・レコグニションによれば、Podlyot K-1は新鋭の移動式レーダーシステムで、最大200の空中目標を同時に探知でき、探知距離は最大290キロに及ぶ。価格は500万ドルといわれ、特に低高度の目標を探知するように設計された。2009年に開発され、15年からロシア空軍に配備されている。

ドローンの映像はウクライナ軍が地上の物体を攻撃する様子をとらえている。場所は非公開。別の角度から撮影された映像は、攻撃されたレーダーシステムが爆発するところを映し出している。

「アンテナ給電設備と同設備に給電していたディーゼルステーションに損害を与えることに成功した」と、GURは47秒の動画についてそう述べている。

ウクライナの情報機関によると、ロシアは同システムを使って座標を探知し、地対空ミサイルS300とS400に伝えていたという。ウクライナ軍はこの投稿で、高額な装備に対する攻撃に成功したことを誇示。「こうしたレーダーのコストは7億ルーブル以上、500万ドル以上」と述べた。映像が撮影された日時は不明。本誌は独自に検証できていないこの映像についてロシア国防省に連絡を取っている。

ウクライナ国防省は昨年11月、ロシア南部ベルゴロド州シェベキノのクラスナヤ・ポリャーナ村に近い国境地帯の攻撃で、Podlyot1基が破壊されたと発表した。同システムの破壊が確認されたのは3度目だった。

ウクライナ側の報道によると、22年7月にはウクライナ南部ヘルソン州で、同じロシアのレーダーシステムが精密攻撃で破壊された。ロシアの対空防衛をかいくぐるウクライナの攻撃が伝えられる中での出来事だった。

現地メディアはウクライナ軍関係者の話として、ウクライナ保安庁が4月26日夜にかけ、ロシア南部クラスノダール地方の石油精製所2カ所と軍の飛行場1カ所をドローンで攻撃したと伝えた。映像に映っているのは、スラビャンスク石油施設が攻撃された瞬間とされている。

(翻訳:鈴木聖子)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。