台湾総統府は22日、頼清徳総統が30日から外交関係のある太平洋島しょ国3カ国を訪問すると発表した。今年5月の就任後、外国訪問は初めて。乗り継ぎ(トランジット)のためにハワイやグアムなど米領内に立ち寄る可能性が指摘されており、来年1月のトランプ米政権発足を前に米側要人と面会するかも注目される。
頼氏は12月6日まで7日間の日程でマーシャル諸島、ツバル、パラオを訪問する。
「一つの中国」原則を掲げる中国は太平洋島しょ国に対しても経済協力を足がかりに関係強化を進める。2016年の民進党政権発足以降、台湾と外交関係を持つ国は世界で12カ国に減少した。頼氏の歴訪はこうした国々との関係維持・強化を目指す目的がある。
22日に記者会見した台湾外交部の田中光政務次長(外務次官)は、米国に立ち寄る可能性について「トランジットの詳細は計画中」と述べるにとどめた。蔡英文前総統が19年にパラオなどを歴訪した際にはハワイに立ち寄っている。
中国外務省の林剣副報道局長は22日の記者会見で「頼清徳当局がいわゆる外交関係国を利用して、台湾独立を図ろうとするのは絶対に実現しない。関係国が早く歴史の大勢を理解するよう望む」と歴訪を批判した。【台北・林哲平】
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