イラン国旗=テヘランで2021年6月17日、真野森作撮影

 国際原子力機関(IAEA)の理事会は21日、核開発疑惑を持たれているイランに対し、協力姿勢の改善などを求める非難決議案を賛成多数で採択した。イランは採決に反発し、高濃縮ウランの貯蔵量を現状より増やさないというこれまでの姿勢を転換する構えだ。

 ロイター通信によると、決議案は米英仏独が主導し、19カ国が賛成。中国、ロシア、ブルキナファソが反対した。イランに対しては核物質の所在地についての情報提供などを求め、IAEAに対してはイランの核開発計画について包括的な報告書の作成を促している。

 イラン国営メディアは採決後、イランの原子力庁長官がウランを濃縮する遠心分離機を稼働させるよう命じたと報じた。

 IAEAのグロッシ事務局長は20日の記者会見で、14日にイランを訪問した際にイラン側に濃縮度を60%に高めたウランの製造停止を要請したところ、イランも同意したと明らかにしていた。ただロイター通信によると、イランは非難決議案を採決しないことを条件に挙げていた。【ベルリン五十嵐朋子】

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