シリア国営通信は20日、中部パルミラでイスラエル軍による空爆があり、少なくとも36人が死亡、50人が負傷したと報じた。イスラエル軍は攻撃についてコメントしていないが、イスラエルはこれまでもシリア国内の軍事施設や親イラン武装組織などを標的に攻撃を繰り返している。
パルミラはローマ帝国時代の都市遺跡があることで知られるが、2010年代に神殿などの遺構が過激派組織「イスラム国」(IS)により破壊されている。ロイター通信などによると、空爆では住宅や工業地域などが標的になり、建物周辺にも被害が出た。
シリアのアサド政権はイスラエルと敵対するイランの支援を受けており、イスラエル軍が戦闘を続けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する武器の供給ルートにもなっている。また、昨年10月にパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘が始まってからは、シリア国内から親イラン武装組織がイスラエルに向け砲撃などを行っている。イスラエルは4月、シリアの首都ダマスカスでイラン大使館を空爆し、イランの報復を招いた。【カイロ金子淳】
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