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<ロシア軍による大規模攻撃のさなか、携行式防空ミサイルシステム(MANPADS)でロシアの巡航ミサイルを撃墜したとみられる女性兵士の動画が話題に>

あるウクライナ軍兵士が、初めての戦闘任務でロシア軍の巡航ミサイルを撃ち落としたとされる動画が公開された。

【動画】元幼稚園教諭の女性兵士がMANPADSでロシアの巡航ミサイルを撃墜する劇的瞬間

映像を公開したウクライナ空軍によると、この動画には、ロシア軍による大規模攻撃のさなかの11月17日朝(現地時間)に、ナタリア・グラバーチュクが長距離ミサイル「Kh-101」を撃墜する様子が収められている。彼女は、この戦争が始まる前には幼稚園教諭をしていた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日早朝に公表した声明のなかで、ロシアがウクライナ各地に「大規模な一斉攻撃」を仕掛け、ミサイルおよそ120発とドローン約90機が発射されたと述べた。

声明によると、ロシアは数種類のミサイルを使用し、そこには極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」や極超音速空対地ミサイル「キンジャール」が含まれていたという。また、イラン製攻撃ドローン「シャヘド」も使用された。ウクライナは140以上の標的を迎撃したとゼレンスキーは述べた。

グラバーチュクの動画をX(旧ツイッター)で公開したウクライナ空軍は次のように述べている。

「11月17日の朝、ナターリア・グラバーチュク兵士は携行式防空ミサイルシステム(MANPADS)のイグラを使って、ロシアの巡航ミサイルを見事に撃ち落とした。彼女にとって初めての戦闘任務にして初めての成功だった!」

本誌はこの動画の真偽を独自に検証することはできなかった。

動画にはグラバーチュクがイグラを発射する様子が映っている。MANPADSは「携行式防空ミサイルシステム」の略で、低空飛行する航空機に脅威を与える誘導兵器だ。

同じく17日、ジョー・バイデン米大統領が、アメリカが供与した兵器を使用してロシア領内を攻撃することをウクライナに許可したことが明らかになった。

ロイター通信などのメディアが報じたこの決定により、戦争は転換点を迎えることになる。

この決定は、ロシア領内への長距離攻撃を認めるようウクライナ政府が何カ月にもわたって訴えてきた要求を受けたものだ。アメリカ政府は戦争が激化することを恐れてここまで慎重な姿勢を示してきたが、ロシアが北朝鮮兵のウクライナ配備を決定したことで考えが変わったとされている。

ウラジーミル・プーチン大統領の報道官ドミトリー・ペスコフは、この決断が緊張をエスカレートさせ、アメリカは2022年2月に始まったこの戦争への関与を深めることになると述べた。

ペスコフは国営のラジオ放送局マヤークに出演し、「近く退陣するアメリカの現政権が火に油を注ぎ、緊張関係をさらに高めるべく行動しようとしているのは明らかだ」と述べた。

ウクライナによるロシア領内への攻撃をバイデン政権が認めたことと、これに対するロシア政府の反応が報じられると、複数のロシア議員や北大西洋条約機構(NATO)加盟国ハンガリーの外務大臣は、世界規模の戦争に発展する恐れがあるとして警鐘を鳴らした。

(翻訳:ガリレオ)

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