ポーランドのワルシャワ市内で展示される破壊されたロシア軍の戦車(2022年6月) STR via Reuters

<ロシア軍はクルスク州に北朝鮮兵を含む5万人の部隊を派遣する計画ともされるが、これは「肉挽き機」に兵力を投入するようなものとも形容される>

ウクライナ軍が越境作戦を展開するロシア南西部クルスク州では、今も激しい戦闘が継続中だ。そんな同州で撮影され、SNSで注目を集めている映像がある。それはロシア軍の戦車がウクライナ軍のドローンによるものと見られる攻撃で次々と破壊される映像で、ロシア兵は「肉挽き器」に投入されていると映像では表現されている。

■【動画】ロシア派遣の北朝鮮兵は「肉挽き機」の餌食に? ロシア戦車が次々に爆発...クルスク州の戦闘映像

ウクライナ人活動家のセルヒー・ステルネンコが運営するチャンネルが撮影し、戦争に関する資料を翻訳する独立系プロジェクト「War Translated」が公開した動画には、クルスク州でロシアの第810旅団の戦車が破壊される様子が捉えられている。本誌は、映像が撮影された場所や日時を独自に確認できていない。

本誌は11月11日、ロシア軍が同州に5万人の部隊を派遣する計画だと報じた。その中には、ロシア軍に新たに加わった北朝鮮兵も含まれている。

「5日間で想像を絶する損害を被った」ロシア軍の部隊

北朝鮮兵が加わることで、ロシアは紛争中の他の地域から部隊を撤退させることなく、反攻作戦を展開するウクライナと戦うことが容易になった。しかし、北朝鮮兵が十分な訓練を受け、この地域での戦闘に備えているのかについては疑問が上がっている。

ソーシャルメディア上の動画によれば、ロシアは兵士を増やし、軍の活性化を図っているが、この地域でのウクライナとの戦いは、「肉挽き器」に兵力を投入しているようなものだ。軍用車が目の前で爆破されているにもかかわらず、また別の車両が同地に送られ続けている。

Xのアカウント「WarMonitor」が公開した別の写真には、クルスク州と見られる地域で黒焦げになった戦車4台が映っている。

「ロシアの第810海兵旅団はこの5日間、クルスク州の陣地への攻撃で想像を絶する損害を被った。新たに徴兵された兵士らが最も危険な戦闘地に投入された結果は、この画像を見れば明らかだ」とWarMonitorは書いている。

トランプが大統領に就任する前の奪還を目指すロシア

ウクライナ海兵隊員が運営するXアカウント「Kriegsforscher」は、戦闘は完全に一方的なものではないと報告している。「クルスク州では非常に血なまぐさい戦闘が続いている。敵は作戦初日の攻撃に失敗した後、私の陣形の側面と中央において最低限の装甲戦闘車両しか使わなかった」

ロシアは、ドナルド・トランプが主導する停戦合意で、クルスク州を永久に保有できるようにするため、トランプの米大統領就任前に同州を奪還しようと躍起になっていると、本誌は伝えた。

トランプは選挙戦を通じて、ウクライナ戦争を終結させると公約していた。しかし、トランプは最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に、これ以上戦争をエスカレートさせないよう要請したと報じられている。


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