米実業家のイーロン・マスク氏(右)=米南部フロリダ州で2024年11月14日、AP

 米紙ニューヨーク・タイムズは14日、トランプ次期大統領の返り咲きに貢献した実業家のイーロン・マスク氏とイランのイラバニ国連大使がニューヨークで会談し、両国の緊張緩和について議論したと報じた。

 同紙によれば、1時間以上に及んだ会談はマスク氏側から要請した。イラン関係者は会談の内容について「前向き」で「朗報」だと語ったという。トランプ氏の広報担当者は「私的な会合についてはコメントしない」としている。

 トランプ氏は政権1期目にイランが核開発を制限する代わりに欧米の経済制裁を解除する核合意から一方的に離脱。イラン側から譲歩を引き出すことを目的に制裁を復活させて圧力を強めた。イラン側は核合意の再建に意欲を示しており、ニューヨーク・タイムズは今回の会談を対立再燃の回避を模索する動きと伝える。

 イランのアラグチ外相は14日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談後、X(ツイッター)に「相違は協力と対話によって解決できる」と書き込んだ。

 マスク氏は、次期政権で連邦政府の歳出削減や規制緩和を推進する政府外の新機関「政府効率化省」のトップに起用される見通し。トランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領との電話協議にも非公式に参加するなど、外交面でも影響力を持つ可能性が出ている。【ニューヨーク八田浩輔】

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