米国で気候変動対策を推進する州政府や企業などの連合体「アメリカ・イズ・オール・イン」は、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)会場でイベントを開催した=アゼルバイジャン・バクーで2024年11月14日午後1時13分、山口智撮影

 アゼルバイジャン・バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で14日、地球温暖化対策に積極的な米企業や自治体がイベントを開催し、トランプ次期政権下でも脱炭素実現に向けて対策を続けていく方針を国際社会にアピールした。

 イベントを主催したのは、米国内の約5000の組織で作る連合体「アメリカ・イズ・オール・イン」(アメリカは全力を尽くす)。2030年までに温室効果ガス排出量を半減、50年までに実質ゼロにする目標を掲げる。

 イベントの開幕セレモニーで、米アーカンソー州ブライスビルのメリッサ・ローガン市長は「私たちが関心を持っているのは、気候変動対策を推進することだけ。対策を前進させるためにしなければならないことは何でもする」と強調した。米大手食品会社で調達部門責任者を務めるバリー・パーキン氏は「この先も世界中の国で首脳の交代が繰り返されていくだろうが、毅然(きぜん)とした態度で臨まなければ(温暖化の悪影響に)打ち勝つことはできない」と述べた。

 トランプ氏は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱する意向を示している。米連邦政府の脱炭素政策が後退するのは必至で、途上国への資金支援など国際協調への悪影響も懸念される。

 第1次トランプ政権の間、対策強化を約束した企業などによるキャンペーンが始まり、脱炭素の潮流を一定程度維持する役割を果たした。「アメリカ・イズ・オール・イン」はその後継組織で、6日には「我々は決して後戻りしない」との声明を発表した。COP29では16日までイベントを開催し、参加企業・自治体などが今後の対策について議論する予定。【バクー山口智】

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