M2ブラッドレー歩兵戦闘車(2016年9月、リトアニア・パブラデ) Karolis Kavolelis-Shutterstock

<グレネードランチャーやFPVドローンに攻撃されても持ちこたえ、その耐久性を示した>

ウクライナ第47機械化旅団のM2ブラッドレー歩兵戦闘車(IFV)2両が、クルスク州にあるロシア側の防御陣地で、集中砲火を浴びながらも大胆な攻撃を仕掛ける動画がオンラインで公開された。

【動画】M2ブラッドレー歩兵戦闘車で「大胆攻撃」を仕掛けるウクライナ軍、ロシア軍の集中砲火にも屈せず

X(旧ツイッター)アカウントの@wartranslatedによれば、テレグラムに投稿され、Xに再投稿されたこの映像には、ブラッドレーを使用するウクライナ軍が、「グレネードランチャーとFPV(一人称視点)ドローンによる攻撃に耐えながら、ロシア側陣地の樹林帯で木々をなぎ倒し、車両と経験豊富な乗員を守りつつ無事に撤退する」様子が映っている。

本誌が8月に報じた通り、米国防総省の文書によれば、アメリカはウクライナに300両以上のブラッドレーと4台の支援車両を供与している。第47機械化旅団は、ウクライナ東部で戦闘に従事してきた旅団で、知られている限り、ブラッドレーと米国の主力戦車M1エイブラムスを運用している唯一の部隊だ。

AP通信によれば、ブラッドレーは「兵員輸送車としても使用できる中型の装甲戦闘車両だ。車輪ではなく無限軌道で走行するが、戦車よりも軽量で機動性が高い。10人程度を輸送可能で、弾薬や通信機器の輸送に使うこともできる」という。

この動画でブラッドレーは、グレネードランチャーやFPVドローンによる攻撃を受けながらも持ちこたえ、重大な損傷や人員の損失もなく無事に撤退したようで、その耐久性を示す形となった。

本誌はこの動画を独自に検証できなかった。

第47機械化旅団の指揮官は今年1月、本誌の取材に対し、ロシアの兵士たちは「ブラッドレーが自分たちに向かってくる」と分かると作戦開始に「おじけづく」と語っていた。

ウクライナ軍は激戦地での戦闘において、多用途で生存性の高い資産として、ブラッドレーの使用を増やしている。今回の任務では、森林地帯にあるロシア軍の陣地を解体するためにブラッドレーが派遣された。

同旅団はブラッドレーの火力を使って森林地帯を突破し、搭載された25ミリ口径のチェーンガン「M242ブッシュマスター」でロシア軍の陣地を無力化し、歩兵を抑え込んだとみられる。

ロシア軍は交戦中、グレネードランチャーで直接ブラッドレーを狙ったり、複数のFPVドローンで側面を攻撃するなど激しい反撃を行ったと報告されている。

クルスク州における第47機械化旅団の成功は、前線におけるブラッドレーの戦略的価値を証明しているように見える。

(翻訳:ガリレオ)


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