中国で国内最大級の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」が12日、広東省珠海市で始まった。空軍の最新鋭ステルス戦闘機「殲(せん)35」などが初公開された。台湾や南シナ海を巡り、米国や周辺国との緊張が高まる中、急速に向上する航空戦力を誇示した。
殲35は、中国空軍で殲20に続く2機種目のステルス戦闘機だ。高いステルス性能に加え、多目的戦闘能力、超音速巡航能力を備えるとされる。中国メディアは、殲35の配備により、中国は米国と並び2機種のステルス機を運用する国になると伝えている。将来的には空母艦載機としても配備される模様だ。
攻撃能力を備える偵察用ステルス無人航空機(ドローン)「彩虹7」も初めて実機が公開された。両翼の長さは約27メートルと大型で、最大高度約1万5000メートル、最長16時間の飛行が可能だ。報道によると、こちらも将来的に空母へ搭載される可能性があるという。
また、極超音速ミサイルを迎撃可能とされる地対空ミサイルシステム「紅旗19」も初公開された。
近年、ロシアの侵攻が続くウクライナなど世界各地の戦場で、軍用ドローンが多数投入されるようになっている。各国は無人機の開発に力を入れ、中国も例外ではない。今回の航空ショーでは無人機に特化した会場も設けられた。ステルス機能を備え、ミサイル防衛や潜水艦の捜索・攻撃などを担う無人の水上作戦艇「虎鯨」(全長58メートル)など最新兵器が多数展示された。
航空ショーには、露空軍の最新鋭ステルス戦闘機「スホイ57」も初参加した。米国との対立が深まる中、中露の連帯を示した形だ。開幕式で常丁求・空軍司令官は「中国空軍は世界と手を携え、地域の安全と世界の平和を断固として守る」と強調してみせた。
航空ショーは原則2年に1回開催され、今回は47カ国・地域、1000社超が出展した。17日まで開催される。【珠海・岡崎英遠】
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