11月11日は、中国では独身の日。
中国経済の停滞を受け、大規模なセールにも異変が現れています。
11月11日は「1」が並ぶことから、中国では「独身の日」と呼ばれ、大規模なネットセールが行われます。
その規模は世界最大級で、日本の年間のネット通販の市場規模に匹敵する売り上げをこのセール期間で稼ぎ出します。
2024年は例年より早くスタート。
日用品大手のSUNSTARも10年前から参戦しています。
SUNSTAR上海・藤下佳之副総経理:
(売り上げが)最初の爆発よりも持続的に伸びていく。
大きな売り上げが期待できるセール。
しかし、停滞する中国経済の影響もあり、さまざまな変化が生まれてきています。
SUNSTAR上海・藤下佳之副総経理:
“背伸び消費”が去年くらいから“身の丈消費”という形で、衝動買いをあまりしなくなった。(SUNSTARは)過剰な低価格競争には参加しない我々の価値を伝えることが一番大事。
SUNSTARでも以前は売り上げを追求していましたが、今はブランドイメージを広める場としての役割を重視しているといいます。
変化はこんなところにも。
中国南部の広東省、広州市にある業者では、20人以上のインフルエンサーと契約し、商品の在庫管理や発送作業を代行しています。
発送代行業者・謝観林社長:
この服は1日に5000~6000着売れます。
独身の日のセールが始まると、毎日1万以上の荷物を発送するため、作業は深夜2時ごろまで続くそうです。
そんな業者の悩みの種が。
作業場に次々と運び込まれ、床一面を覆い尽くす大量の返品商品。
実は、中国ではオーダーメードなどの特別な商品以外は、7日以内だと理由がなくても返品が可能です。
特にセール中は、「購入特典」目当ての客が特典だけをもらって商品を返品するケースが後を絶ちません。
しかも、その返品の配送料は売る側の負担です。
発送代行業者・謝観林社長:
返品率が上がっていて今は約40%です。だいたい1日に3000~4000ほどの返品があります。
アメリカの高級アパレルブランドは約340億円を売り上げましたが、返品率が95%に達したと中国メディアが報じました。
中国のウェブマーケティングを行う日系企業は。
unbot・淡路恒平主管:
購買チャンネルも多様化している状況になるので、消費者の嗜好(しこう)を見抜きつつ、効率的に投資をしていくというところがより求められる状況になっている。
今後は売るだけではなく、返品されない戦略も必要になってきています。
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